【絵付け基本ツールいろいろ】

陶絵付け、ポーセラーツに使用する基本ツールは様々ですが、ここでは主にパレットナイフ、下書き用具、ゴムピックについて言及します。

左からパレットナイフ大、小、下書き用スタビロ鉛筆黒、白、0.05油性マジック、ゴムピック各種5本。下はチャコペーパー各色。

 

*パレットナイフ*金属素材のものが入手し易いですが、竹製(へらのようになったもの)、プラスチック製と素材も様々です。金属製のものは図のように大きさ、幅、金属の厚さ(しなり易さ)が色々あります。幅の大きなものは大量に絵の具を溶く時に楽ですし、小さいものは少量の絵の具を溶くのに小回りが利いて便利です。

絵の具を練っていると、突然根本からぽっきり折れて、へらの部分が宙を舞うこともありますので、木軸付け根を握り、人差し指を金属部分に添えて練ることをお勧めします(そうすると人差し指がストッパーになり、吹き飛ぶことがありません)。

また、油絵画材店ではへらが菱形で金属部分がくの字に曲がったものもありますが、あれは油絵でキャンバスに直接絵の具を塗る時に使用するもので、絵の具の練りには力が入りにくいですからあまりお勧め出来ません(通常ペインティングナイフという名称で販売されています)。

 

*下書き用鉛筆*鉛筆、チャコペーパー、油性マジック等があります(ねん紙、粉カーボンによる転写は一般的ではないのでここでは省略します)。白磁はつるつるしているので、ある程度油分がある物の方がしっかりと転写出来ますが、水溶性用材の時にはじいて描きにくかったり、かえって線がじゃまで作業の邪魔になることも多いです。

また1部のチャコペーパーは油分が強く、焼成後もうっすらとラインが残ったりしますから、描く前に軽く油分をふき取ったり、必要最低限のラインのみ転写すると良いでしょう。油性マジックは筆でなでても下書きが消えないので便利ですが、金彩ははじいて焼成が綺麗にいかないので使用しない方が良いと思います。

 

*ゴムピック*先がとがったもの、長刀状のものに大きく分かれます。また、ゴムが堅いものと柔らかいもの、太い細いがあります。あまりに堅くても柔らかくても使いにくいものです。ゴムなので、絵付けのメジュウムによって少しずつ先が摩耗するので、あまりに先が利かなくなったら買い換えます。ちなみに、私は画像にある5本のうち両端にある2本がお気に入りです(右端の細いもの、本来は歯間用ピックなのです。バトラーから替え芯が出ています)。

←バトラーピック。先端がいつの間にか行方不明になった方、どうぞ。

上画像はたまにあると便利な道具です。左から、

 

*ターンテーブル*台がろくろのように回転します。滑り止めがついているので画像のように斜めに出来、重い白磁や大皿、陶板制作にはかかせません。

 

*エッジライナー*皿の縁にひっかけて、穴に鉛筆を差し込んで下書きのラインを引きます。レリーフがあったり、曲面のあるアイテムでは使えず、以外と役立たずです。

 

*プレートデバイダー*皿の分割に必須。奇数分割ではこれがないととっても困ります。持ってる誰かにコピーしてもらっても良いですが、結構大きいし安いので、よく使う方は買っても良いかもしれません。


おまけの話・「油絵画材売り場商品」

ゴムピックやパレットナイフは大手画材店の油絵の具売り場にも豊富にあります(ちなみに、水彩絵の具コーナーには輸入物のラファエル・ウィンザーニュートンなどの筆があります。元々水彩用の筆ですから、当然ですけど)。ナイフやピックは使えそうなものは試す価値がありますので、ついでがあれば物色するのも良いでしょう。筆も色々ありますが、柄の長いもの、毛質の堅いもの(ブタ毛・ナイロン)はあまり絵付けに適していないと思います。

2002/7/16 金井景子制作 2013/3/4加筆修正

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